エールフランスとルフトハンザのプレエコ比較|新型座席は何が違う?
背もたれが倒れる座席と、シェルの内側で姿勢を変える座席。プレエコの満足度は、この違いでも変わります。
搭乗記を見る3件前の席のリクライニングに作業を邪魔されたくない人には、Allegrisの固定シェル構造が魅力です。エールフランスの新型Premiumは、背もたれを倒すタイプを好む人の候補。会社名ではなく、予約便に搭載される新旧の座席をそろえて比較することが出発点です。
01仕事をしたい時間と、眠りたい時間で好みが分かれる


ヨーロッパへの長距離便で、エコノミーより楽に過ごしたいけれど、ビジネスクラスほどの予算はかけたくない。そんなときに候補になるのがプレミアムエコノミーです。ただし、同じ名称でも座席の設計思想はさまざま。エールフランスは現在「Premium」という名称を使い、ルフトハンザは新しい客室シリーズを「Allegris」と呼んでいます。
| 項目 | Air France 新型Premium | Lufthansa Allegris Premium Economy |
|---|---|---|
| 背もたれの仕組み | 背もたれ自体が後方へ倒れるリクライニング式 | 固定シェルの内側で姿勢を調整 |
| 公式の前後間隔 | 94〜97cm | 99cm |
| 選ぶ理由になりやすい点 | 従来のリクライニング動作を好む人 | 前席の動きから自分の空間を守りたい人 |
| 比較から外すもの | 旧型シェル席を新型と同一視しない | 従来型Premium EconomyをAllegrisと同一視しない |
この二つに限れば、数字の差よりも、前の乗客が背もたれを倒したときの変化に注目する方が実用的です。機内で数時間パソコンを使う人と、食後すぐ休みたい人では、評価の重みが違います。この記事では睡眠、作業空間、料金の三つを軸に、おすすめが変わる条件を整理します。
02固定シェルは「狭くならない」ための仕組み
Allegrisでは外側のシェルを固定したまま座席を調整するため、前の人がくつろいでも、後席側へ背もたれがせり出す動きを抑えられます。食事中やパソコン作業中に前席が倒れてくるのが苦手な人には、この構造自体が選ぶ理由になります。
一方、シェルの外へ空間を増やす仕組みではないので、自分が倒したときに身体をどう収めるかが大切です。座面が前へ動く感覚や、膝と足を置く位置は、身長と座り方によって受け止め方が変わります。「前席の影響を受けにくい」と「誰でも最もよく眠れる」は別の話。固定シェルだから必ず快適、という順位にはしません。
エールフランスの新型は、背もたれを倒して上体を預けるリクライニング式です。公式発表では124度のリクライニングを案内しています。前席が倒れた状態での過ごしやすさも含め、長時間の移動を考える必要があります。二人で同じタイミングに食事や休息を取る旅なら気になりにくくても、周囲と違う時間帯に作業したい人には重要な違いです。
0399cmと94〜97cmだけでは、膝まわりを決められない

シートピッチは、前後の座席の同じ位置から測る間隔です。足元にその長さの空間が丸ごと残るわけではありません。背もたれの厚さ、座面の位置、テーブル、前席の下にある機器などが、実際に使える場所に関係します。99cmと97cmの差を、そのまま膝前の余裕2cmと読み替えることはできません。
前方の壁に面した席は、前の乗客のリクライニングを避けたい人に魅力があります。ただ、通常列のように前席の下へ足や小さなバッグを伸ばせるとは限りません。足を伸ばす方向、収納、画面の位置を写真で確かめると、単純に「最前列だから広い」という判断から一歩進めます。
二人旅では窓側の二席だけでなく、中央席でも隣同士を確保できるか、通路へ出る回数が多いかが大切です。窓の景色を楽しむ時間が少ない夜便なら、通路への出やすさを優先する選択にも理由があります。座席指定の費用を払ってまで確保したい条件を、予約前に一つか二つ決めておくと迷いが減ります。
04食事の後も仕事を続けるなら、テーブルまわりが決め手

座席の幅が広くても、テーブルを出したまま身体の向きを変えにくいと、長時間の作業には窮屈に感じることがあります。パソコンだけでなく飲み物やスマートフォンをどこへ置くか、電源を使いながら立ち上がれるか。公式の寸法一覧に載りにくい部分だからこそ、テーブルを広げた実写写真に意味があります。座席を倒した写真だけが多い記事では、作業のしやすさまで判断できない場合もあります。
Allegrisの固定シェルは、前席の姿勢変更を気にせず画面を見るための利点として評価できます。ただし、自分自身の座面を動かしたときにテーブルとの距離がどう変わるかは別の問題です。食事の時間には起こし、その後は少し倒して読む、といった自分の使い方に合うかを想像すると、仕組みの違いを実用的に捉えられます。
休息を優先する人にとっては、足の裏を支えるフットレストと、ふくらはぎを支えるレッグレストの違いも重要です。足が床につくかだけでなく、上体を倒した姿勢で脚をどこへ預けられるかが変わるためです。足元が広く写っていても支えの位置が合うとは限りません。長い夜便のために選ぶなら、体格や姿勢が近い筆者の使用中の写真を優先すると、カタログの角度だけではわからない情報を補えます。
05搭乗記を読むときは、座席の世代をそろえる

エールフランスのプレエコには、固定シェル式だった時代の写真も多く残っています。名称がPremiumに変わったことだけを、新型座席への交換と結びつけるのは正確ではありません。同様に、ルフトハンザのPremium Economyという表示だけではAllegrisとは限りません。検索した記事の公開年より、写真に写る座席の形を確認する方が役立つ場面があります。
たとえば従来型ルフトハンザの体験談は、トレーや収納、機内食の量を知る参考にはなりますが、そのままAllegrisの座り心地の評価には使えません。エールフランスで一時帰国したきぬさんの記事は、往復で食事の印象が違った点も興味深いところ。同じ会社を選んでも、座席への満足と料理の好みは分けて考えられます。
| 確認するもの | 役立つ理由 |
|---|---|
| 背もたれと外側シェルの位置 | 新旧の座席を取り違えにくい |
| テーブルを広げた写真 | 食事と作業のしやすさを想像できる |
| 足置きを出した写真 | 床の広さだけでない休み方がわかる |
| 搭乗区間と時点 | 現在の自分の便に当てはまる部分を選べる |
06往復すべてをプレエコにしなくてもよい
図の内容をテキストで読む
- 往復エコノミー
- 2人で36万円
- 片道だけプレエコ
- 2人で46万円
- 往復プレエコ
- 2人で54万円
予算を考えるなら、往復の合計額だけでなく、長く起きている区間と睡眠を優先する区間の差も材料になります。昼便で仕事をするために空間が欲しい人もいれば、夜便のエコノミーだけを避けたい人もいます。どちらか一方に追加予算を振り向ける旅程も、十分に検討する価値があります。
| 選択 | 1人往復 | 2人合計 | エコノミーとの差 |
|---|---|---|---|
| 往復エコノミー | 180,000円 | 360,000円 | — |
| 片道だけプレエコ | 230,000円 | 460,000円 | 100,000円 |
| 往復プレエコ | 270,000円 | 540,000円 | 180,000円 |
この例なら往復プレエコの追加18万円は、2人×2区間で1区間あたり4万5,000円。一方、片道だけなら1人5万円です。単価は少し高くても、必要な方向だけ快適にして旅行全体の支出を8万円抑える選択になります。数字は実売価格ではなく比較用の仮定で、実際は税金・座席指定・手荷物を含めた見積もりに置き換えます。
プレエコの運賃に、ビジネスクラスと同じラウンジ利用まで含まれると想定しないことも大切です。会員資格や有料オプションによる利用は航空券そのものの特典と分けます。休憩場所が旅程の決め手なら、対象空港の条件と費用を加えたうえで比べる方が、現地での期待違いを減らせます。
07座席の好みが合い、旅程を崩さない方がおすすめ

作業中の空間を安定させたい人にはAllegrisの固定シェルが有力です。後方へ倒れる座席を好み、予約便に新型Premiumが入っているならエールフランスにも魅力があります。ただし、好みの座席のために乗り継ぎを増やし、到着が何時間も遅くなる場合には、客室内の利点だけでは決めにくくなります。
予約前の最終比較には、空港名、接続時間、座席商品、必要な座席指定を含む総額を並べてみてください。そのうえで写真を眺めると、憧れだけでも料金だけでもない、自分に合ったプレエコを選びやすくなります。




